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ススキ散歩

Flower Walking with Susuki grass Miscanthus sinensis

ススキの花は万葉の時代から好まれる秋の七草・ススキの花と穂は秋の涼風に揺れます

 イネ科ススキ属ススキ(薄Susuki grassMiscanthus sinensis他)は日本など東アジアが原産の単子葉、多年生、草本です。ススキは夏から秋に花茎を伸ばし20〜30cmほどの赤紫色の花穂の花(尾花)を咲かせます。ススキは花が咲いた後、白い毛の生えた種子(枯れ尾花)をつけます。ススキの花と種子は万葉の時代から、たくさんの詩に読まれています。ススキは秋の七草にも選ばれていています。ススキの秋風に揺れる様子が、古くから好まれています。ススキの花を写真、ススキの花観察地図、ススキの花情報でお楽しみ下さい。

《ススキ属ススキMiscanthus sinensisの花写真・花観察地図》

ススキ花穂画像

箱根仙石原のススキの穂写真(撮影2016.11.5)

ススキ花観察地図箱根仙石原すすき草原地図Hakone Sengokuhara Susuki Grassland Map

 ススキ(薄)は、日本など東アジアが原産の単子葉、多年生、草本です。ススキは種子、地下茎で増え高さ0.8〜2m程になります。ススキの葉は平行脈で細長く、根出葉と茎から出る葉があります。初秋に穂状花序の花(赤紫色)の花を咲かせ、晩秋には細い毛に覆われた実:頴果(えいか)を付けます。晩秋に箱根仙石原(標高約750m)を花散歩していると、銀色に輝くススキの穂が秋風に揺れていました(撮影2016.11.5)。ススキの穂が銀色に輝くのは、ススキの頴果を取り囲む細かな毛が太陽光を反射するためです。

ススキ花穂画像

横浜三渓園に咲くススキの花と三重塔写真(撮影2009.9.22)

ススキ花観察地図横浜三渓園Yokohama Sankei Park Map

 ススキ(Susuki grass)の花は、初秋に咲きます。ススキは1m程の花茎を伸ばし、20〜50cm程の花穂に多数の小花を付けます。ススキの花色は赤紫色ですが、雄蕊の葯が膨らむころは大量の花粉のために黄色く見えます。ススキの小花は花被片2ですが、退化してほとんどわかりません。ススキの雄蕊は3で、雌蕊1(先端2裂羽状)です。初秋に横浜三渓園(標高約17m)にある臨春閣を花散歩していると、花穂に黄色い雄蕊をたくさん付けたススキの花が咲いていました(撮影2009.9.22)。

ススキ穂画像

鎌倉永福寺跡に咲くススキの花写真(撮影2021.9.20)

ススキ花観察地図鎌倉永福寺跡地図Kamakura Eifukuji Temple Map

 ススキ(Miscanthus sinensis他)の花期は初秋から秋で、花色は赤色、紫色、黄色などです。秋に鎌倉永福寺跡を花散歩していると、ススキの穂が秋風にたなびいていました(撮影2021.9.20)。鎌倉永福寺跡に咲くススキの花が、秋風にたなびく様は涼しげです。

《ススキ属ススキMiscanthus sinensisの花情報・学名意味》

植物名 ススキ属ススキ  英名Susuki grass 漢字 薄 萱 尾花 中国語 芒草 中国芒  
学名 Miscanthus sinensis
科名 イネ科 Poaceae
属名 ススキ属 Miscanthus
花期 秋の花 初秋花 夏の花 
花色 赤色花 紫色花
原産 東アジア(日本 中国 台湾 朝鮮半島 他)
観察地 長野県 奈良県 岡山県 京都市 鎌倉市 横浜市 北海道 他
特徴 単子葉、多年生、草本、種子、地下茎で増える、高さ0.8〜2m、根出葉、茎葉、葉平行脈
穂状花序、花色(赤、紫)、花被片2(退化)、雄蕊3、雌蕊1(先端2裂)、花期後頴果(えいか)
利用 観賞用、庭園、飼料、中医薬、茅葺屋根、染料、茶花、他
学名
意味
ススキ=薄、萱 Susuki grass=すすき草、中国語=芒草、中国芒
属名Miscanthus=comes from the Greek for 'stalk' and 'flower'=ギリシャ語「柄のある小花」
種名sinensis=is derived from the Latin meaning 'from China'=古代ラテン語で「中国から」

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《ススキ属ススキMiscanthus sinensisの花写真・花観察地図》

ススキ 田代湿原

上高地田代湿原に咲くススキの赤紫色の花写真(撮影2010.8.20)

ススキ花観察地図上高地田代池地図Nagano Kamikouchi Tashiro-ike Pond Map

 長野県上高地田代湿原は、上高地田代池の周辺に広がる湿原です。夏の終わりに長野県上高地田代湿原を花散歩していると、田代池(標高約1500m)にススキの赤紫色の花が咲いていました(撮影2010.8.20)。ススキの穂(花穂・尾花)はまだ軽くほぼ直立しています。ススキの花には花弁はなく花粉の入った葯(やく)・雄蕊(ゆうずい)が赤紫色に見えます。上高地田代湿原に咲くススキの花は高原に秋の訪れを知らせています。

ススキ 神威岬

北海道積丹半島神威岬に咲くススキの花写真(撮影2006.8.25)

 初秋に北海道積丹半島神威岬を花散歩していると、標高50mほどの切り立った崖の上にススキの花が咲いていました(撮影2006.8.25)。やはり北海道積丹半島神威岬(標高約50m)のススキの花は赤紫色で、花穂は軽く直立しています。ススキの花穂が少し風にたなびく様子も秋らしくて良いですね。北海道積丹半島神威岬のシャコタンブルーといわれる青い海を背景に咲く、ススキの花もきれいです。

《ススキ属ススキMiscanthus sinensisの花写真・花観察地図》

ススキ画像

岡山後楽園のススキの葉と初秋の花穂写真(撮影2015.9.2)

ススキ花観察地図岡山後楽園地図Okayama Korakuen Garden Map

 ススキの属名Miscanthus=comes from the Greek for 'stalk' and 'flower'=ギリシャ語「柄のある小花」を意味します。ススキの長さ20〜50cm穂には、柄のある小花が多数付きます。初秋に岡山城に隣接する岡山後楽園(標高約5m)を花散歩していると、直立した花穂を付けた高さ2m程のススキが茂っていました(撮影2015.9.2)。ススキの葉は細く長い、平行脈が特徴です。ススキは観賞用の他、動物の飼料や染色、茅葺屋根の材料、茶花などに利用されます。

ススキ花画像

松本城堀端に咲くススキの花と種子(撮影2019.8.21)

ススキ花観察地図松本城地図Nagano Matsumoto Castle Map

 長野県松本市にある松本城は国宝の城です。夏に松本城周辺(標高592m)を花散歩していると、ススキの花と種子ができている様子が観察されました(撮影2019.8.21)。松本城の堀端に咲くススキの花は、もう結実して白い毛で覆われた実(頴果:えいか)をつけ始めています。種子ができるとススキの穂(花穂)は重くなり、風がなくとも横になびきます。松本の秋は、もうすぐのようですね。

ススキ花画像

上高地に咲くススキの花と穂高連峰写真(撮影2013.8.28)

ススキ花観察地図長野県上高地河童橋地図Nagano Kamikochi Kappabashi Bridge Map

 イネ科ススキ属ススキ(薄Susuki grassMiscanthus sinensis)の種名sinensis=is derived from the Latin meaning 'from China'=古代ラテン語で「中国から」の意味です。ススキは中国をはじめ、日本などの東アジアで広く生育しています。初秋に長野県の高原地帯にある上高地河童橋近くを花散歩していると、穂高連峰を背景にススキの花が咲いていました(撮影2013.8.28)。

ススキ 三渓園

横浜三渓園のススキの花穂写真(撮影2009.9.22)

 秋に横浜三渓園(標高約17m)を花散歩していると、重要文化財である臨春閣前のススキの花穂が重くたなびいていました(撮影2009.9.22)。横浜三渓園にある臨春閣は、徳川吉宗が育った紀州厳出御殿と言われています。三渓園臨春閣前のススキの花穂はもう重く秋の深まりを感じさせます。この頃の中秋の名月(2012中秋・9月30日)とススキの花穂は良く似合います。

《ススキ属ススキMiscanthus sinensisの花写真・花観察地図》

ススキ 飛鳥歴史公園

奈良県飛鳥歴史公園のススキの花穂写真(撮影2005.9.23)

ススキ花観察地図奈良県明日香村飛鳥歴史公園地図Nara Asuka Village Asuka Historical Park Map

 秋に奈良県明日香村にある飛鳥歴史公園(標高約148m)を花散歩していると、高松塚古墳近くのススキの穂が白く輝くようにたなびいて見えました(撮影2005.9.23)。奈良県明日香村は、日本の近代国家発祥の地といわれています。奈良県明日香村を散策すると、万葉の詩が現実のものであることを実感させられます。万葉集で詠われた尾花(おばな・ススキ)が目の前に揺れます。もう明日香村のススキの花穂は重く、白く輝いて見えました。ススキは受粉結実して、白い毛で覆われた種子ができているようです。

ススキ花穂画像

大阪服部緑地植物園のススキの穂写真(撮影2014.10.19)

ススキ花観察地図大阪服部緑地植物園Osaka Hattori Ryokuchi Botanical Garden Map

 秋にススキの穂が垂れる様子は、風情があります。秋に大阪豊中市にある大阪服部緑地植物園(標高約40m)を花散歩していると、ちょうど見ごろのススキの穂がありました(撮影2014.10.19)。大阪服部緑地植物園のススキの穂も素晴らしいです。

ススキ花穂画像

高松市栗林公園に咲くススキの花写真(撮影2015.11.1)

ススキ花観察地図高松市栗林公園地図Takamatsu Ritsurin Garden Map

 ススキの花期は初秋から秋ごろですが、温暖な地域では晩秋でも花を見ることができます。晩秋に高松市栗林公園(標高約17m)を花散歩していると、赤紫色のススキの花が観察できました(撮影2015.11.1)。銘園栗林公園に咲く、ススキの花も見事です。

ススキ 曼殊院

京都曼殊院天満宮の石灯籠とススキの花穂写真(撮影2009.9.28)

ススキ花観察地図京都曼殊院地図Kyoto Manshu-in Temple Map

 秋に京都曼殊院(標高約140m)を訪問してから、近くの曼殊院天満宮に寄ってみると、境内のススキの穂が良い感じでたなびいて見えました(撮影2009.9.28)。秋にたなびくススキの花穂は、風情があります。現代人はススキを邪魔な雑草と見る方もいますが、この風景を見ると、万葉の時代から多くの歌人がススキを愛した理由がわかります。

《ススキ属ススキMiscanthus sinensisの花写真・花観察地図》

ススキ 弥高山

岡山県高梁市弥高山のススキと中国山地の山並み写真(撮影2004.9.20)

 岡山県高梁市弥高山は中国山地にある標高654mの小高い山です。秋に弥高山山頂を歩いていると、かすむ中国山地の山並みの中でススキの穂が寂しそうにたなびいて見えました。岡山県高梁市弥高山から見る中国山地の雲海や、かすむ山並みの中で見るススキの穂も風情があります。

ススキ花穂画像

京都天龍寺のススキの穂写真(撮影2012.11.13)

ススキ花観察地図京都天龍寺地図Kyoto Tenryuji Temple Map

 京都嵯峨野にある、天龍寺のススキの穂は見事でした。京都の紅葉が美しい頃に天龍寺(標高約43m)を訪問すると、見事なススキの穂が観察できました(撮影2012.11.13)。結実したススキの実(頴果:えいか)が重くなり始め、良い具合に垂れ下っていました。

ススキ花穂画像

京都三年坂のススキの穂と紅葉写真(撮影2015.12.2)

ススキ花観察地図京都三年坂地図Kyoto Sannen Zaka Pass Map

 ススキMiscanthus sinensisは花期後実(頴果:えいか)を付けますが、細い毛に覆われています。ススキの花は赤紫色ですが、結実すると細かい毛が光を反射するので銀色に見えます。12月上旬に京都三年坂(標高約74m)を花散歩していると、ススキの銀色の穂が観察できました(撮影2015.12.2)。ススキの実は細かな毛で覆われているので、風に飛びやすくできています。三年坂のススキの実はもうかなり飛んでしまい、ススキの穂はもう軽くなって直立していました。京都三年坂では名残のススキと、名残の紅葉を楽しむことができました。

ススキ 源氏山

鎌倉市源氏山のススキの穂に止まるスズメ写真(撮影2005.11.13)

ススキ花観察地図鎌倉市源氏山地図Kamakura City Mt.Genji-yama Map

 秋の鎌倉散歩は快適です。晩秋に化粧坂を登り、鎌倉源氏山(標高93m)を花散歩していると、ススキの穂にスズメが止まっていました(撮影2005.11.13)。晩秋なのでススキの穂は白い毛で覆われた種子で白く輝いて見えます。スズメの体重は20gほどしかありませんので、ススキの穂に止まっても折れないようです。ススキの枯れ尾花(種子)も、風情があります。

ススキ 称名寺

称名寺市民の森のススキの枯れ尾花写真(撮影2007.11.27)

ススキ花観察地図横浜市金沢区称名寺地図Yokohama Shoumyou-ji Temple Map

 横浜市金沢区にある称名寺は、鎌倉時代から続く名刹です。称名寺には金沢文庫もあり、現在でも鎌倉文化研究の中心地です。初冬に称名寺と市民の森(標高76m金沢山)を散歩していると、ススキの見事な枯れ尾花がありました。ススキの花は結実すると白い毛で覆われた種子ができます。

ススキ花穂画像

赤レンガパークのススキの枯れ尾花と飛鳥U写真(撮影2013.12.23)

ススキ花観察地図赤レンガ倉庫地図Yokohama Akarenga Park Map

 ススキの枯れ尾花は、年末でも観察できます。年末に横浜赤レンガパークを花散歩していると、枯れ尾花が大桟橋に停泊する飛鳥Uを背景に風になびいていました(撮影2013.12.23)。赤レンガパークのススキの枯れ尾花と、飛鳥Uも良い風景です。

ススキ ポートサイド公園

横浜ポートサイド公園のススキの枯れ尾花とカモメ写真(撮影2006.12.16)

 年末に横浜ポートサイド公園(標高2m)を散歩していると、ススキの枯れ尾花が、横に広がって見えました(撮影2006.12.16)。ススキの花穂に付いた種子も多くは風に飛ばされて、ススキの花穂も軽くなったようです。ススキの花穂を見ると横浜港も、もう冬景色です。カモメも北国から暖かい横浜にやってきました。

 ススキの花とススキ花散歩を、楽しんでもらえたでしょうか?秋風に揺れるススキの花と尾花は秋の花旅花散歩の楽しみです。皆様もこのページの地図を頼りに、ススキ花散歩を楽しんでください。爽やかな秋空を見ながらススキ花散歩を楽しめば、体も心もリフレッシュできそうです。なお資料写真の背景がボケていますが、ススキの花と尾花が主役ですのでお許し下さい。よろしかったらホトトギス花散歩も眺めていってください。

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