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鎌倉図鑑

Kamakura Flowers Book

古都鎌倉に咲く花は涼しげで清楚です・鎌倉花図鑑を片手に鎌倉花散歩を楽しみましょう

更新2024.11.13

 古都鎌倉は前面を海、三方を山に取り囲まれた城砦のような地形の街です。温暖な気候と豊かな緑に取り囲まれた鎌倉の街は、四季の花散歩にも最適な場所です。武家の都であり、禅宗の開かれた鎌倉は花散歩に最適です。鎌倉各地の静かな寺社の境内や街角で、四季の花が楽しめます。また鎌倉の南に広がる明るい海は湘南と呼ばれ、海浜植物も観察できます。鎌倉の街に咲く四季の花を、写真と花観察地図、鎌倉花情報で案内いたします。

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鎌倉ハス花画像

ハス 

 夏に鎌倉駅前にある本覚寺を花散歩していると、ハスの花が咲いていました。 ハス科ハス属ハス(蓮Lotus Nelumbo nucifera)はアジアが原産の双子葉、多年生、水生草本です。ハスの花色は赤色、薄紅色、白色、他で香りも良いです。ハスの花はがく片2〜5、花弁10〜30、雄蕊多数です。ハスの雌蕊は漏斗形の花床が特徴で、5〜30の心皮が集合してできています。ハスは地下茎、茎、葉、花、種子などが食用、飲用、菓子、医薬品などとして多方面で利用されています。

ノウゼンカズラの花

凌霄花ノウゼンカズラ

 夏に鎌倉妙本寺を花散歩していると、ノウゼンカズラの花がたくさん咲いていました。日本で栽培されるノウゼンカズラの原産は中国です。ノウゼンカズラは平安時代に渡来してきたといわれています。鎌倉の古刹妙本寺にもノウゼンカズラの古い株があり、夏の鎌倉を綺麗に彩ります。ノウゼンカズラは双子葉植物で、つる性の植物です。ノウゼンカズラの総状花序に垂れ下がった赤いトランペット状の花は鮮やかで夏空に映えます。それではノウゼンカズラの花を楽しむ花散歩に出かけましょう。

ツルリンドウ花画像

蔓竜胆ツルリンドウ

 秋に鎌倉東慶寺境内を花散歩していると、青紫色のツルリンドウの花が咲いていました。リンドウ科ツルリンドウ属ツルリンドウ(蔓竜胆Tripterospermum japonicum)は日本、朝鮮半島、台湾が原産の双子葉、多年生、蔓性、草本です。ツルリンドウは、主に種子、根茎で増えます。ツルリンドウは、薬草、漢方薬として知られています。ツルリンドウは冬を根茎で過ごし、初夏に蔓性の茎を伸ばし、対生の披針形の葉を茂らせます。ツルリンドウは夏の終わりから秋に茎先に先端が5裂した花を咲かせます。ツルリンドウの花はリンドウ属特有の花で、蕾は螺旋に巻いた筒状長楕円形で、開くと五星形です。ツルリンドウの花は雄蕊5、雌蕊1(柱頭2裂)です。

ヒガンバナ花画像

彼岸花ヒガンバナ

 秋に鶴岡八幡宮にある源平池の周りを花散歩していると、赤色のヒガンバナの花が源平池を背景に咲いていました。ヒガンバナはヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草、単子葉植物です。ヒガンバナLycoris radiataの原産は中国で、稲作とともに日本に帰化したと考えられています。ヒガンバナは秋の彼岸の頃30〜50cmほどの花茎を伸ばし、赤い放射状の花を咲かせます。ヒガンバナ花をヒガンバナ写真、ヒガンバナの花散歩地図、ヒガンバナの花情報でお楽しみ下さい。

シュウメイギクの花

秋明菊シュウメイギク

 秋に鎌倉東慶寺境内を花散歩していると、白色のシュウメイギクの花が石仏に飾られていました。シュウメイギク(秋明菊)はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草、草本、双子葉植物です。シュウメイギクAnemone hupehensis の原産は中国(中国名秋牡丹)で、古い時代に日本にもたらされました。シュウメイギクは高さ90cm〜120cmで秋に白又は赤紫色の花を咲かせます。シュウメイギクをシュウメイギク花写真、シュウメイギクの花散歩地図、シュウメイギクの花情報でお楽しみ下さい。

鎌倉に咲くツワブキ花画像

石蕗ツワブキ

 初冬に鎌倉雪の下の通りを花散歩していると、ツワブキの花が明るく咲いていました。キク科ツワブキ属ツワブキ(石蕗Farfugium japonicum)は、日本の南部、朝鮮半島、中国、台湾の海岸や渓谷の岩場に自生する常緑、多年生、草本植物です。ツワブキはフキ(蕗)に似ていて、葉が広く艶やかです。秋から初冬に花茎を伸ばし、5cmほどの頭状花序の黄色い花を咲かせます。ツワブキは園芸用植物としても人気で、海外でも愛好者の多い植物です。

タマアジサイ花画像

玉紫陽花タマアジサイ

 初秋に鎌倉五山の浄智寺甘露の井近くを花散歩していると、タマアジサイの花が綺麗に咲いていました。アジサイ科アジサイ属タマアジサイ(玉紫陽花Hydrangea involucrata)は日本、台湾が原産の双子葉、落葉性、小低木(潅木)です。タマアジサイは成長すると1m〜2mになります。タます。マアジサイは冬は葉を落葉させ、春から夏に倒卵形、楕円形で縁に鋸歯がある長さ10〜25cmの長く大きな葉を茂らせます。夏から秋に分枝した枝先に直径2cm程の、球形に近い苞に覆われた蕾を付け、7月から9月に開花します。タマアジサイの花はアジサイ科特有の花で、中心部に青色から青紫色に見える両性花が咲き、両性花を取り囲むように4枚の白色から薄青色の装飾花が数個咲きます。タマアジサイの涼しげな花は、夏から秋の花として人気があります。

鎌倉浄光明寺に咲くハギ花画像

ハギ

 秋に鎌倉浄光明寺境内を花散歩していると、ハギの花が涼しげに咲いていました。ハギはマメ科ハギ属Lespedeza の植物で、世界に40種ほど知られています。東アジアに分布するハギは特にJapanese cloverとも呼ばれています。ハギ属Lespedezaの種類は多いので全てを紹介できませんが、秋に赤色(白色、黄色)の小さなマメ科特有の花をつけるものが多いです。特にミヤギノハギLespedeza thunbergiiの花は、秋風に揺れる様子が古くから好まれています。

コムラサキシキブの実

紫式部ムラサキシキブ

 秋に鎌倉駅前にある大巧寺を花散歩していると、ムラサキシキブの実が色付き始めていました。ムラサキシキブはクマツヅラ科ムラサキシキブ属の双子葉植物です。ムラサキシキブ属の植物は日本全国、朝鮮半島に分布する山野草で、夏に葉腋から1対の散房花序の薄紫色の花を咲かせます。ムラサキシキブの花と実は古くから好まれていています。ムラサキシキブの花と実を写真、ムラサキシキブの花実散歩地図、ムラサキシキブの花実情報でお楽しみ下さい。

鎌倉東慶寺に咲くモクセイ花画像

木犀モクセイ

 秋に鎌倉東慶寺境内を花散歩していると、モクセイの香りの良い花が咲いていました。モクセイ(木犀)はモクセイ科モクセイ属の常緑小高木、双子葉植物です。モクセイOsmanthus fragransの原産は中国(中国名桂花)で、古い時代に日本にもたらされました。モクセイは成長すると3〜5mになる常緑小高木で、秋に黄色又は白色、橙色の香りの良い花を咲かせます。モクセイの変種には日本で一般的な黄色い花を咲かせるキンモクセイ、白い花を咲かせるギンモクセイなどがあります。

鎌倉東慶寺に咲くコスモス花画像

大波斯菊コスモス

 秋に鎌倉東慶寺境内を花散歩していると、可愛らしいコスモスの花が咲いていました。コスモス(オオハルシャギク大波斯菊Mexican aster Cosmos bipinnatus)はキク科コスモス属の一年草、双子葉植物です。コスモスの原産はメキシコの1600m〜2800mの高原で、ヨーロッパを経由して明治時代に日本にもたらされました。コスモス(オオハルシャギク)は高さ60cm〜120cmで秋に赤紫色の花を咲かせます。

鎌倉に咲くシコンノボタン花画像

紫紺野牡丹シコンノボタン

 ノボタン科シコンノボタン属シコンノボタン(紫紺野牡丹Glory bushTibouchina urvilleana)はブラジルが原産の双子葉、常緑、灌木です。シコンノボタンは比較的低温にも強く、鉢植えにも適した植物です。シコンノボタンの葉は対生、披針形、楕円形で毛で覆われています。シコンノボタンは夏の終わりから秋、初冬にかけて紫色の5弁の大きな花を咲かせます。シコンノボタンの花はノボタン科特有の花で、花色は紫色、がく片5、花弁5、雌蕊1、雄蕊10(長5、短5)です。シコンノボタンは花期後、赤紫色の実(刮ハ)を付けます。

鎌倉鶴岡八幡宮に咲くヤブツバキ花画像

藪椿ヤブツバキ

 冬に鎌倉鶴岡八幡宮境内を花散歩していると、ヤブツバキの花が咲いていました。ツバキ科ツバキ属ヤブツバキ(藪椿Camellia japonica)は日本などの東アジア原産の双子葉、高木常緑樹の植物です。ヤブツバキは冬から春に小枝の先に、5cm〜7cmの5枚の花弁が合着した赤い花をつけます。ヤブツバキの雌しべは柱頭が3〜4に分かれ、雄しべは多数で基部で合着しています。ヤブツバキ翌年の夏から秋に直径4〜5cmほどの大きさの実(果実)を稔らせます。ヤブツバキの果実の中には油分の多い種子があり、種子から椿油を採取します。

《鎌倉花図鑑案内・鎌倉の花情報・鎌倉四季花の花》

植物名 鎌倉の花 漢字 鎌倉花 英語 Kamakura Flower 中国語 日本的鎌倉市花  
気候 温帯
気温 2℃〜30℃
特性 冬暖かく、夏涼しい。気温差は少ない。日中南の海風が吹く日が多い、潮風あり
花期 春花:ウメ、サクラ、ツバキ、ナノハナ、シャガ、ツツジ、ヤマブキ、他
初夏花:アジサイ、サツキ、ミヤコヨメナ、シャクナゲ、ハナショウブ他
夏花:ハス、スイレン、サルスベリ、キョウチクトウ、デュランタ、ムクゲ、他
秋花:フヨウ、シュウカイドウ、野菊、コスモス、ハギ、リンドウ、サガギク、他
冬花:サザンカ、チャノキ、ツワブキ、ナンテン実、センリョウ実、他
花色 青色花:トレニア、アジサイ、アヤメ、リンドウ、ツルリンドウ、他
赤色花:バラ、ツバキ、サザンカ、タチアオイ、フヨウ、ムクゲ、ヒガンバナ、他
白色花:シクラメン、ヤマボウシ、オオシマザクラ、ハナミズキ、スイレン、他
黄色花:ヤマブキ、タンポポ、ナノハナ、キンシバイ、ビョウヤナギ、レンギョウ、他
紫色花:シコンノボタン、シモクレン、オオムラサキツツジ、ハナショウブ、他
オレンジ色花:ザクロ、カンナ、マリーゴールド、クンシラン、カンゾウ、他
特徴 ・古くから国際交流が多いため、古い時代に帰化した植物が多い
・寺院には古くからの薬草や茶花が多い
・鎌倉時代に薬草(植物)を使った製薬事業、医療活動の跡が見られる(極楽寺他)
・谷戸と呼ばれる湿潤な谷間に咲く花が多い
・海岸沿いには海浜植物が多く見られる
・寺社で良く手入れされた植物が多い
・寺社では植物の価値が理解され、観光資源となっている
観察地 鶴岡八幡宮、長谷寺、円覚寺、成就院、極楽寺、浄智寺、銭洗い弁天、切通、他
特徴 固有種の他、薬草茶花などの帰化植物が多い、植物の利用がされている
利用 茶花、芸術、食用、染色、鑑賞用、庭園、生薬、薬草、医薬品、瑞泉寺、他
科名 キク科、マメ科、バラ科、ツツジ科、アヤメ科、キンポウゲ科、ユリ科、他

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鎌倉段葛に咲くサザンカ花画像

山茶花サザンカ

 初冬に鎌倉段葛を花散歩していると、サザンカの花が鎌倉の爽やかな青空を背景に咲いていました。ツバキ科ツバキ属サザンカ(山茶花Camellia sasanqua)は日本を含む東アジア原産の双子葉、樹高5mに成長する常緑広葉樹の植物です。サザンカの花は直径5cm〜7cmほどで、5〜7枚のがく片、花弁5〜多数を付け、中心に雌しべと多数の雄しべが密集しています。サザンカの花はツバキのように花弁が基部で繋がらず、ばらばらに散るのが特徴です。寒い季節に咲くサザンカの華やかな花は、晩秋から冬の花散歩の楽しみです。

鎌倉円覚寺に咲くチャノキ花画像

茶樹チャノキ

 初冬に鎌倉五山の円覚寺境内を花散歩していると、チャノキの白色の花が咲いていました。ツバキ科ツバキ属チャノキ(茶樹Camellia sinensis)は、中国南部原産の双子葉、常緑樹、小高木の植物です。チャノキは東アジア、インド、台湾、日本などでも栽培され、緑茶、紅茶、ウーロン茶などに加工され世界中で飲用されています。チャノキの若芽にはカフェインが多く含まれ嗜好品としても好まれています。またチャノキは秋から冬に白色(薄黄色)の爽やかな花を咲かせます。

鎌倉寿福寺境内に稔るナンテン実画像

南天ナンテン

 暮れに鎌倉五山寿福寺境内を花散歩していると、ナンテンの赤色の実が石仏を背景に稔っていました。メギ科ナンテン属ナンテン(南天Nandina domestica)は東アジア原産で双子葉、常緑、低木樹の植物です。ナンテンは古い時代に中国から渡来したと言われています。ナンテンは庭園に植えられていることが多く、薬草としても有名です。初夏に咲くナンテンの白い花はとても気品があり、秋から冬に稔る赤色の実はとても美しいです。ナンテンの花と実は、四季の花実散歩の楽しみです。

ニホンズイセン花

日本水仙ニホンズイセン

 正月に鎌倉五山寿福寺境内を花散歩していると、ニホンズイセンの花が五輪塔を背景に咲いていました。ヒガンバナ科スイセン属ニホンズイセン(日本水仙Narcissus tazzetta ver. chinensis)は地中海原産の単子葉、多年生草本の植物です。ニホンズイセンは主に鱗茎(球根)で増え、初冬に厚みのある扁平な葉を20〜50cmほど延ばします。ニホンズイセンは初冬から春にかけての寒い季節に花茎を伸ばし、白色の花を咲かせます。ニホンズイセンの花は直径3cm〜5cmほどで、3枚の花弁、顎片3を付けます。ニホンズイセンの花は中心に黄色い筒状の副花冠があり、雌しべ1雄しべ6です。ニホンズイセンの花は香りが良く、寒い季節に咲くニホンズイセンの清々しい花は、冬から春の花散歩の楽しみです。

ソシンロウバイ花

蝋梅ロウバイ

 冬に駆け込み寺として世界的に有名な鎌倉東慶寺を花散歩していると、ロウバイの花が鎌倉の青空を背景に咲いていました。ロウバイ科ロウバイ属ロウバイ(蝋梅Japanese AallspiceChimonanthus praecox 他)は中国原産の双子葉、落葉、低木です。早春の山麓や里を黄色く飾る香りの良いロウバイの花は、春の花散歩の楽しみです。ロウバイは、主に種子、接木で増えます。ロウバイは秋に落葉し、早春に葉が出る前に枝に多数の黄色い花を一斉に咲かせます。ロウバイの花色は黄色(中心部暗紫色のものあり)で、稀に白色のものもあります。ロウバイの花はロウバイ科特有の花構造で、花皮片が多数です。ロウバイは花被片多数、雄蕊数個、雌蕊数個の花を咲かせます。ロウバイは花期が終わる頃、枝先に対生の比較的大きな葉を付けます。

鎌倉鶴岡八幡宮に咲くウメ花画像

ウメ

 早春に鎌倉鶴岡八幡宮境内を花散歩していると、ウメの花が社殿を背景に咲いていました。バラ科スモモ属ウメ(梅Japanese Apricot Prunus mume)は中国南部原産の双子葉、落葉、高木の植物です。ウメの花は温暖な地域では冬の1月頃から、多くの地域では2月〜3月頃に開花します。ウメの花は香りもよく古代より親しまれ、多くの絵画、句、文学にも取り上げられています。また初夏に実るウメの実は梅干を始め食品や飲料に使われます。

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アジサイ花画像

紫陽花アジサイ

 初夏に鎌倉長谷寺を花散歩していると、色とりどりのアジサイの花を楽しむことができました。アジサイ属アジサイ(紫陽花Ajisai Hydrangea macrophylla)は日本、中国原産の双子葉、落葉性、小低木(潅木)です。アジサイは成長すると1m〜2mでになります。アジサイは冬は葉を落葉させ、春に倒卵形、楕円形の長さ6〜15cmの大きな葉を茂らせ、初夏に分枝した枝先に直径8〜20cm程の、球形に近い傘房状の花房を多数付けます。アジサイの花はがく片が大きく、花弁は目立ちません。アジサイのがく片の色は青色、赤色、紫色、白色、他で時間により変化します。アジサイのがく片は4(1.4〜2.4cm)、花弁4(2〜4mm)です。アジサイの花の花柱は3、雄蕊10です。

鎌倉六地蔵に咲くキンシバイ花写真

金糸梅キンシバイ

 初夏に由比ヶ浜海岸に近い鎌倉六地蔵前を花散歩していると、キンシバイの花が六地蔵を飾っていました。日本で栽培されるキンシバイの原産は、中国です。キンシバイは江戸時代に中国から渡来してきたといわれています。キンシバイ(Hypericum patulum 他)はオトギリソウ属の半落葉小低木で、初夏から夏に黄色く大きな5弁の花を咲かせます。キンシバイは各地の公園や、寺社で栽培されていています。キンシバイの花は初夏から夏の花散歩には、欠かせない花です。

ホタルブクロ花写真

蛍袋ホタルブクロ

 初夏に鎌倉成就院を花散歩していると、ホタルブクロの花が咲いていました。キキョウ科ホタルブクロ属ホタルブクロ(蛍袋Spotted Bellflower Campanula punctata)は日本、朝鮮半島、中国など東アジア原産の双子葉、多年生、草本です。ホタルブクロは冬を宿根で過ごし、春に互生の毛におおわれた葉を茂らせ、初夏から夏に葉の花茎を伸ばし釣り鐘状の下向きに咲く花を次々に咲かせます。ホタルブクロの花色は紫色、白色などで、赤色の斑点があるのが特徴です。ホタルブクロの花は、キキョウ科特有の花でがく片5、花弁筒状5裂、雌蕊3裂、雄蕊5です。蛍が飛ぶ頃に道端や土手、庭園に咲くホタルブクロのかわいらしい花は初夏から夏の花散歩の楽しみです。

鎌倉銭洗い弁天に咲くヤマボウシ花画像

山法師ヤマボウシ

 初夏に鎌倉銭洗い弁天近くを花散歩していると、薄紅色のヤマボウシの花が咲いていました。ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ(山法師Japanese Dogwood Cornus kousa)は日本など東アジアが原産の双子葉、落葉、広葉樹、高木です。ヤマボウシは、主に種子で増えます。ヤマボウシの白く涼しげな花は、世界中で人気があります。ヤマボウシは成長すると5〜10m程の高木になります。ヤマボウシは春に対生の卵円形の葉を付け初夏に白色(薄紅)の花弁状総苞片4枚の中に20〜30個の薄黄色花を付けます。ヤマボウシの花はミズキ科特有の花で、がく片筒状4、花弁4、雄蕊4、子房下位(2室)です。ヤマボウシは花期後、赤色の実を付けます。

鎌倉極楽寺に咲くガクアジサイ花画像

額紫陽花ガクアジサイ

 初夏に鎌倉極楽寺を花散歩していると、水色のガクアジサイの花が出迎えてくれました。アジサイ科アジサイ属ガクアジサイ(額紫陽花Gaku-Ajisai Hydrangea macrophylla)は日本、中国原産の双子葉、落葉性、小低木(潅木)です。ガクアジサイは周辺の装飾花はがく片で、中心の中性花を飾っています。ガクアジサイの花はがく片が大きく、花弁は目立ちません。ガクアジサイのがく片は4(1.4〜2.4cm)、花弁4〜5(2〜4mm)です。ガクアジサイの花の花柱は3、雄蕊10です。ガクアジサイの涼しげな花は、初夏、梅雨時の花として世界中で人気があります。

クサノオウ花写真

草王クサノオウ

 初夏に鎌倉化粧坂切通を花散歩していると、クサノオウの花が咲いていました。ケシ科クサノオウ属クサノオウ(草の王Greater celandineChelidonium majus)は日本などユーラシア大陸が原産の双子葉、多年生、草本です。クサノオウは主に種子で増えます。クサノオウは高さ30〜60cm程で、初夏に咲く黄色く明るい花は世界中で人気があります。またクサノオウは世界中で、薬草として利用されています。クサノオウは秋に発芽し、ロゼット状の根出葉で冬を過ごし、春に細毛のある中空の茎を伸ばします。クサノオウの葉は互生の羽状複葉で、葉裏は白く細毛があります。初夏に茎先に傘形花序の黄色い花を次々に付けます。クサノオウの花はケシ科特有の4弁花で、がく片2、花弁4で、雄蕊多数、雌蕊1、子房は円柱形で1室2心皮です。

イワタバコ花

岩煙草イワタバコ

 初夏に東慶寺境内を花散歩していると、イワタバコの紫色の花が並んで咲いていました。イワタバコ科イワタバコ属イワタバコ(岩煙草Conandron ramondioides)は日本、台湾原産の双子葉、多年生、草本です。イワタバコは温暖な、湿った岩壁に成育します。イワタバコの葉は冬に枯れ根茎で過ごします。イワタバコは春に長さ5〜20cm程の根生葉を数枚出し、岩壁に垂らします。初夏に10cm〜15cm程の花茎を伸ばし、直径1〜1.5cm程の星型の花を多数咲かせます。イワタバコのがく片は5、花弁は合弁花で、先が5裂(星型)しています。雄蕊は5。イワタバコの花弁の色は紫色で稀に白色、ピンク色もあります。イワタバコの紫色の星屑のような涼しげな花は、初夏、梅雨時の花として人気があります。

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鎌倉海蔵寺に咲くシャクナゲ花画像

石楠花シャクナゲ

 春に四季の花が素晴らしい鎌倉海蔵寺境内を花散歩していると、シャクナゲの花が咲いていました。ツツジ科ツツジ属シャクナゲ(石楠花Hymenanthes Rhododendron subg.Hymenanthes)は、北半球原産の双子葉、常緑、広葉樹、低木(高木)です。シャクナゲは主に種子、挿し木で増え、春から初夏に枝先に赤色、白色、薄紅色、黄色の大きな花を5〜40個程咲かせます。シャクナゲの花はツツジ属特有の花構造で、花は筒状で5裂しています。シャクナゲの花はがく片5、花弁筒状5裂、雌蕊1、雄蕊10です。シャクナゲの花は山や里に春を告げる花として人気があります。

アヤメ花画像

文目アヤメ

 春に鎌倉駅前にある大巧寺を花散歩していると、涼しげなアヤメの花が咲いていました。アヤメ科アヤメ属アヤメ(文目Japanese Iris Iris sanguinea)はアジア原産の植物で単子葉、多年生、草本です。アヤメの花色は青色、紫色、白色、他で直径6cm〜7cm程の大きさです。アヤメの花はアヤメ科特有の、花被片6(外花被片3、内花被片3)です。アヤメの華やかな花は、初夏を告げる花として人気があります。アヤメをアヤメ花写真、アヤメ花観察地図、アヤメ花情報でお楽しみ下さい。

鎌倉由比ガ浜に咲くハマヒルガオ花画像

浜昼顔ハマヒルガオ

 初夏に湘南の海として人気の鎌倉由比ヶ浜海岸を花散歩していると、海浜植物のハマヒルガオの花が咲いていました。ヒルガオ科ヒルガオ属ハマヒルガオ(浜昼顔Beach morning gloryCalystegia soldanella)は双子葉、多年生、草本です。ハマヒルガオは海浜植物で匍匐性の茎を伸ばし、腎心形(円形)の直径3〜4cm程の葉を互生に付けます。ハマヒルガオは海岸地方で初夏から夏に直径5〜6cm程の漏斗型の、アサガオに似た花を咲かせます。ハマヒルガオの花は合弁花で薄紅色、白色でがく片は5、花弁5、雌蕊1、雄蕊5です。初夏から夏の海辺で日差しに輝くハマヒルガオの花は、とても涼しげです。

鎌倉長谷寺に咲くミヤコワスレ花画像

深山嫁菜ミヤマヨメナ

 初夏に由比ヶ浜海岸の眺めが素晴らしい、鎌倉長谷寺を花散歩していると、可愛らしいミヤマヨメナ(ミヤコワスレ)の花が咲いていました。キク科シオン属ミヤマヨメナ(深山嫁菜Aster savatieri 他)は日本が原産の双子葉、多年生、草本です。ミヤマヨメナの花色は白色、紫色、青紫色などで、春から初夏の山地を美しく飾ります。ミヤマヨメナの園芸品種で、紫色のものをミヤコワスレとも言います。ミヤマヨメナは春に花茎を伸ばし、春から初夏にキクの花に似た可愛らしい頭状花序の花を開花させます。ミヤマヨメナの花はキク科特有の舌状花と、黄色の管状花でできています。ミヤマヨメナは花期後、実(痩果)を付けます。

長谷寺ボタン花画像

牡丹ボタン花

 春に鎌倉長谷寺を花散歩していると、ボタンの花が見頃でした。唐笠の下に咲く牡丹の花もお洒落です。ボタン科ボタン属ボタン(牡丹Peony Paeonia suffruticosa)は中国原産の双子葉、落葉小低木です。ボタンは春に互生、二回三出の複葉を付け、成長すると1.5m〜3m程になります。ボタンは春から初夏に大きさ20cm程の赤色、白色、紫色の花を咲かせます。ボタンの花は花弁5、がく片5で、雌蕊3〜5、雄蕊多数です。ボタンは薬草としても知られています。ボタンの華やかで高貴な花は、初夏を告げる花として古代から人気があり、絵画や文学にも登場します。ボタンをボタン花写真、ボタン花観察地図、ボタン花情報でお楽しみ下さい。

鎌倉明月院に咲くサツキ花画像

皐月サツキ

 初夏にアジサイ寺として有名な鎌倉明月院を花散歩していると、枯山水に咲くサツキの花が綺麗でした。ツツジ科ツツジ属サツキ(皐月Satsuki azaleas Rhododendron indicum 他)は日本が原産の双子葉、常緑、小低木です。初夏の庭園や街路を華やかな花で飾るサツキの花は初夏から梅雨時に咲く花です。サツキは主に、挿し木や種子で増えます。サツキの花はツツジ科特有の花で、がく片5、花弁筒状で合弁5裂、雌蕊1、雄蕊5です。サツキの美しく華やかな花は、世界中で愛され栽培されています。

鎌倉段葛に咲くオオムラサキツツジ花画像

大紫躑躅オオムラサキツツジ

 春に鎌倉時代に作られた古道の鎌倉段葛を花散歩していると、青空を背景に白色の爽やかなオオムラサキツツジの花が咲いていました。ツツジ科ツツジ属オオムラサキツツジ(大紫躑躅Sweet AzaleaRhododendron pulchrum 他)は、日本原産の双子葉、常緑、広葉樹、小低木です。オオムラサキツツジは花が咲く頃互生の、黄緑色の美しい新葉を出します。オオムラサキツツジの花はツツジ科特有の花で外花被片5、内花被片筒状5裂、雌蕊1、雄蕊10です。オオムラサキツツジは花が華やかで美しく世界中で人気があります。

シモクレン花

紫木蓮シモクレン

 春に鎌倉駅前にある大巧寺を花散歩していると、薄紫色のシモクレンの花が咲いていました。モクレン科モクレン属シモクレン(紫木蓮Mulan Magnolia Magnolia liliiflora)は中国原産の双子葉、小高木、落葉広葉樹です。シモクレンは成長すると高さ3m〜5m程で、春先に葉が芽吹く前に紫色の美しい花を枝いっぱいに付けます。シモクレンの花は長さ8cm〜10cm程で、花被片は紫色で9〜12枚、花弁6〜9枚、雌蕊多数、雄しべ多数です。シモクレンの紫色で上品な花は、春を告げる花として中国、日本を始め世界中で人気があります。

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ナツツバキ花写真

夏椿ナツツバキ

 夏に成就院を花散歩していると、ナツツバキの白色の爽やかな花が咲いていました。ツバキ科ナツツバキ属ナツツバキ(夏椿、沙羅Japanese Stewartia Stewartia pseudocamellia)は日本、朝鮮半島原産の双子葉、落葉、高木です。ナツツバキは成長すると、10〜15m程になります。ナツツバキは木肌が滑らかで、春に互生の黄緑色の葉を茂らせ、初夏から夏に葉脇から白色の5〜7cmほどの大きな花を咲かせます。ナツツバキの花は、ツバキ科特有の花で、花弁5、雌蕊1、雄蕊多数です。ナツツバキは沙羅樹とも呼ばれ、寺院で多く見かけます。ナツツバキの白色で爽やかな花は、初夏から夏の花散歩の楽しみです。初

鎌倉大覚寺に咲くサルスベリ花画像

百日紅サルスベリ

 夏に鎌倉駅前本覚寺境内を花散歩していると、サルスベリの花が涼しげに咲いていました。夏の強い日差しに負けず涼しげに咲くサルスベリのピンク色の花は夏の楽しみです。サルスベリ(百日紅)の原産は中国南部で台湾、日本、朝鮮半島でも見られる花です。サルスベリ(Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科の落葉樹で高さ6mにもなることがあります。サルスベリの幹は滑らかなので、猿滑(さるすべり)と書かれることがあります。サルスベリの花は花弁が6枚で、独特の縮れがおしゃれです。夏の終わりに本覚寺境内を花散歩していると、サルスベリの花が本堂を背景に咲いていました。

鎌倉に咲くキョウチクトウ花画像

夾竹桃キョウチクトウ

 夏に鎌倉小町通り近くを花散歩していると、薄紅色のキョウチクトウの花が咲いていました。キョウチクトウ科キョウチクトウ属キョウチクトウ(夾竹桃Oleander Nerium oleander)は西南アジアが原産の双子葉、常緑、小高木です。キョウチクトウの花は2.5〜5cmで、キョウチクトウ科特有の筒状の合弁花で、回旋状で花弁は5裂(八重も多い)しています。キョウチクトウの花色は赤色、薄紅色、白色、薄黄色です。キョウチクトウの花は花冠筒内側に長い柔毛が伸びているのが特徴で、雌蕊1、雄蕊は5です。

鎌倉に咲くムクゲ花画像

槿ムクゲ

 夏に湘南の海として人気の鎌倉材木座海岸近くを花散歩していると、ムクゲの花が並んで咲いていました。アオイ科フヨウ属ムクゲ(木槿Hibiscus syriacus)は東アジア原産の双子葉、落葉低木です。ムクゲはインド中国が原産の植物ですが、日本へは古い時代に渡来し、観賞用や茶花として好まれています。ムクゲはハイビスカス(フヨウ)の仲間です。ハイビスカスは夏から秋にかけて、白色、赤色、紫色などの直径10cm〜18cmほどのハイビスカスに似た花を咲かせます。

タチアオイ花画像

立葵タチアオイ

 夏に鎌倉駅近くを花散歩していると、赤色のタチアオイの花が咲いていました。タチアオイの花は鎌倉の街でよく見かけます。アオイ科タチアオイ属タチアオイ(立葵Hollyhock Alcea rosea)はアジア原産の双子葉、二年生、宿根生、草本です。タチアオイの花色は赤色、紫色、薄紅色、白色、黄色他です。タチアオイの花はアオイ科特有のがく片5、副がく片あり、花弁5が基本で重弁、八重咲きのものもあります。タチアオイは薬草としても知られ、世界中で親しまれています。

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海浜植物湘南花図鑑

 神奈川県南部の海辺の地域は、「湘南」と呼ばれ人気のビーチリゾートです。湘南地方は海に面していて、夏涼しく冬暖かく1年中四季の花の美しい地域です。湘南地方には海辺の海浜植物の他、熱帯植物やエキゾチックな品種の花も観察できます。神奈川県南部の海辺の湘南に咲く四季の花を写真図鑑と花観察地図、湘南花情報で案内いたします。

ハマダイコン花画像

海浜海浜植物図鑑

 日本列島は、四面を海に囲まれている国です。日本列島の沿岸に咲く美しい四季の花々を紹介しながらの、海浜植物花散歩を楽しんでください。海浜植物の写真、海浜植物の撮影場所の便利な地図や交通アクセスも用意しました。皆様も海浜植物花散歩を楽しんでください。

スズラン花画像

四季花暦図鑑

 古くから使われている日本語に、「花暦(はなごよみ)」という言葉があります。「花暦」は美しい言葉ですね。自然界は正直なもので、コロナ騒ぎの中でも毎年同じように花が開花します。年によって多少の遅い早いはありますが、花の咲く順番はそれほど変わることがありません。そのため古くは「花暦」を、農作業などの指標にもしていたようです。現代でも「花暦」を意識して、デパートなどの飾りつけなども行われているようです。日本列島に咲く月毎の花を、写真図鑑と月毎の花観察地図で案内いたします。

タチバナ花画像

図鑑万葉植物図鑑

 万葉集は7世紀前半から759年までの約130年間の、日本最古の和歌集です。万葉集には天皇から庶民まで各階層、東北から九州まで各地域の和歌約4500首が収められています。万葉集には植物が詠われているものも多く、約180首が挙げられます。当時万葉集に詠われた植物名が不明なものもありますが、万葉に読まれた植物をいくつか紹介したいと思います。万葉の植物を写真と花観察地図、万葉の花情報で案内いたします。

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公園公園花図鑑

 日本各地の公園に咲く身近な四季の花は、明るく華やかで素朴です。各地の身近な公園に咲く四季の花は、ゆっくり眺めるととても美しく感動的です。日本列島各地の多様性のある四季の公園に咲く花を、写真図鑑にしました。身近な四季の公園に咲く赤色、青色、白色、黄色、紫色、オレンジ色、ピンク色の花を写真図鑑でお楽しみください。四季の公園に咲く花の写真図鑑と撮影地の地図、交通アクセスも用意しました。皆様も公園花図鑑を片手に、地元の公園花散歩を楽しみましょう。

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庭園庭園花散歩

 日本列島各地の庭園・名園に咲く、色とりどりの花は華やかで美しいです。日本列島にはたくさんの庭園や名園があります。日本の気候は変化に富んでいますので、それぞれの庭園に咲く花も異なっています。日本列島各地の庭園名園の花散歩をお楽しみください。日本列島各地の庭園の花散歩を写真と地図、交通アクセスで案内いたします。

 鎌倉花図鑑の写真を楽しんでもらえたでしょうか?三方を山に囲まれ南側が湘南の海に囲まれた古都鎌倉に咲く花は清楚で可憐です。皆様も古都鎌倉に足を延ばし、山沿いに咲く花を楽しんでください。鎌倉花図鑑の花写真は、すべて私たちが現地取材で撮影したものです。1枚でも気に入った鎌倉花図鑑の花写真があれば、光栄です。鎌倉花図鑑のページはこれから、充実してゆきますので、楽しみにしてください。鎌倉花図鑑の写真と地図を片手に、皆様も鎌倉花散歩を楽しんでください。

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